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コラム

2022/02/24

【14】工程管理ツールは企業で使うと効果的(2)

前回、工程管理ツールは企業で使うと効果的(1) として、企業全体で活用することを想定した工程管理ツールのコンセプトや特徴について明記した。
今回も引き続き、コンセプトや特徴を説明していきたいと思う。

前回は「企業の役割別に集計やセキュリティ管理をするための特徴」「企業で統一して管理をするための特徴」の2つの特徴をあげて説明したので、今回は企業全体で工程管理ツールを使う時の「スケジュール作成のための特徴」として例をあげていきたい。

プロジェクトのスケジュールを作成する時、何回も作り変えたり作り直したりすることが多いと思う。また、大規模プロジェクトでは各関係者に作成してもらい、それを確認し修正版を再び受け取るなど、スケジュール作成は1回ですぐに完成とはいかないのではないだろうか。

これは工程管理ツールを使っても同じで、会社のサーバーへアップすると他プロジェクトの工数への影響があったり、各関係者からの計画を統合したりすると即座に全体への影響が出てしまうため、未確定版スケジュールをいくつも別プロジェクトやファイルとして作成するような運用でカバーするケースが多くなる。

実は企業全体で活用することを想定した工程管理ツールでは、他プロジェクトへの影響が無いようなシミュレーション用プロジェクトという考え方を持っている。
下図はマスタースケジュールに対し、ABC 3カ所の部隊やベンダーから詳細スケジュールを集めたものである。

詳細Bのスケジュールを見ると、マスタースケジュールのマイルストン日付を越えている状態になっており、

このままスケジュール計算をするとマスタースケジュールへの影響が出るため、事前に何回かシミュレーションを行い確定スケジュールを作成した時点で全体に反映したくなる。
こうしたシミュレーションを実現できるのが工程管理ツールが持っているプロジェクトのミラー化というものである。

下図はプロジェクトをシミュレーション用にミラー化したイメージである。
プロジェクトをミラー化するとシミュレーション用プロジェクトが別途作成される。このシミュレーション用プロジェクトは、全体工数やコストへの集計対象にならない他のプロジェクトにも全く影響が出ないものなので自由に編集・更新ができる。
ミラーは複数作成できるため、いくつかのスケジュールパターンを作成し、納得のいくスケジュールを最終的に反映させる使い方が多いようだ。もちろん必要なくなったミラープロジェクトは削除すれば良いだけである。

では、実際の工程管理ツールの画面例を紹介したいと思う。
今回も企業で活用できる工程管理ツールとして Oracle Primavera P6 の例で説明する。
下図はプロジェクトをミラー化する画面である。
XYZプロジェクトのマスタースケジュールのミラーを作成しようとしている。

「ミラーを作成」をクリックするとマスタースケジュールの下に、マスタースケジュール Reflection というミラーができあがる。これをシミュレーションパターンの数だけ作成していく。シミュレーションはそれぞれのスケジュールでも、パターンごとにまとめたスケジュールでも確認・編集ができるようになっている。

また、ミラーのスケジュールには上図のように「?」マークがついており、これらはシミュレーション用で工数やコストなどが全体(他のプロジェクトなど)に反映されないようになっている。
これにより他に登録されているプロジェクトへの影響もなく、シミュレーションを元に採用したいスケジュール案を計画できるのである。

もちろん「?」マークがついているミラーのスケジュールでも、下図のようにガントチャートが表示され、通常のスケジュール同様のイメージで同様の操作ができるようになっている。

次に編集・更新したミラーのスケジュールを反映させてみたいと思う。
下図は編集・修正したミラーを統合する画面である。対象のスケジュールを選択し「ミラーをソース・プロジェクトに統合」をクリックすると統合画面に移動する。

統合画面では、元となるスケジュール(ソース・プロジェクト)との差異が表示され、それぞれの項目を統合して良いかが確認できる。また、部分的に統合したい場合も対象部分だけチェックを入れれば、部分的に元スケジュールへ更新がかかるようになっている。
下図の例では、元となるスケジュールに更新(差異)があったアクティビティが更新項目・内容と共に確認でき、必要な更新部分をチェックで選択するようになっている。

このようにミラー作成、修正・更新、元スケジュールへの統合を行うことにより、スケジュール更新をいくつかのパターンでシミュレーションしながら、スケジュールを計画できるようになる。

さて、今回「工程管理ツールは企業で使うと効果的(2)」というテーマで、企業全体で工程管理ツールを使う時の「スケジュール作成のための特徴」の例としてスケジュールのシミュレーションについて説明してきた。
近年、企業としてのプロジェクト管理の仕組み作りを検討・導入する企業が増えてきている今、プロジェクト情報のサマリー集計やプロジェクト間の要員調整などに正確な情報集計が求められることになる。
工程管理ツールも企業全体で使用できるように進化してきている。ぜひ企業で活用してみてはいかがであろうか。

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カテゴリ:プロジェクトマネジメント