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コラム

2022/02/24

【13】工程管理ツールは企業で使うと効果的(1)

ITの活用が当たり前になってきている現代、プロジェクトではITを活用したさまざまな管理ツールが使われるようになっている。プロジェクトの工程(スケジュール)管理にも、いくつものITツールが販売されており、活用されている。 しかし、工程管理ツールにはプロジェクトのみに使うツール以外に、企業全体で使うことを想定しているものがあることはご存じだろうか。

これは企業としてプロジェクト管理方法をどう考えるか、企業内やプロジェクト関係者間でどのように情報を可視化していくかなど属人的なプロジェクト管理から脱却し、管理手法やツール(システム)を統一する動きが出ているからである。

では、企業全体で活用することを想定した工程管理ツールとはどのようなコンセプトで作られているのか?
ここでは「企業の役割別に集計やセキュリティ管理をするための特徴」「企業で統一して管理をするための特徴」の2つの特徴で説明したいと思う。

最初に「企業の役割別に集計やセキュリティ管理をするための特徴」について説明する。
下図は企業で使うことを想定している工程管理ツールのプロジェクト管理構造である。

まず、プロジェクトの上に階層があることに注目してほしい。企業でプロジェクト管理の仕組みを考える場合、事業ドメイン別に(事業ドメイン=組織の場合もあり)情報を収集する必要も出てくる。
このためプロジェクトの上位に事業ドメイン階層が作られており、関係プロジェクトの情報をサマリーレベルで集計できるようになっている。

もちろん集計値を確認する範囲や権限など、どの部署の誰にどのような役割で管理権限を与えるかはとても重要なものとなってくる。

下図は工程管理ツールが持つ EPS・プロジェクト・WBS・アクティビティに対しアクセス管理や各種コードなど、どのような属性項目が関連するかの相関図である。
この相関図の赤点線枠が管理権限に関する部分となり、OBS(Organization Breakdown Structure)で主管組織と役割を定義し、組織別・役割別に EPS・プロジェクト・WBS まで管理範囲が設定できるようになっている。また、役割別に編集や閲覧などの権限を持たせる設定もある。
これらを活用することにより、企業内それぞれの役割別の視点でプロジェクト・プログラム・ポートフォリオ管理を実現することができるようになる。

では例をあげて説明しよう。例えばアクティビティコードに関しては定義が以下のとおり3つの単位に分かれている。

[グローバル(企業)単位]
全ユーザーが共通で使用可能なコードであり、事前にツールに登録しておけば各ユーザーは企業標準コードとしてすぐに活用できる。

[EPS(事業)単位]
対象事業に関わるユーザーが使用可能なコードであり、事前にツールに登録しておけば対象事業のユーザーは事業標準コードとしてすぐに活用できる。

[プロジェクト単位]
プロジェクトで独自に設定するコードであり、グローバル単位や EPS 単位に用意されていないプロジェクト独自のコードを定義したい場合に活用する。

以上のようにグローバルや EPS 単位にアクティビティコードを持たせることにより、企業標準のアクティビティコードを活用するようになり、企業で統一した視点で工程管理をすることが可能となるのである。

今まで企業で活用するための工程管理ツールの管理構造や特徴について説明してきた。
ここからは、実際の工程管理ツールの画面例を紹介したいと思う。
今回は企業で活用できる工程管理ツールとして Oracle Primavera P6 の例で説明する。

下図は「企業の役割別に集計やセキュリティ管理をするための特徴」で説明した管理構造の EPS とプロジェクトを登録した例である。
ここでは、EPS を全社 - 事業 - 事業拠点(海外or国内)- プログラムで階層化し、その下にプロジェクトが登録されている。

※EPS にプロジェクト名が入っている部分もあるが、大規模プロジェクトをサブプロジェクトに分け管理することを想定し、EPS にプロジェクト名を入れ複数のサブプロジェクト管理をするケースもある。

これらを登録することにより、プロジェクトだけでなく事業単位、事業拠点単位、プログラム単位でも進捗・工数・コスト状況を分析できるようになり、組織視点で事業の意思決定材料を集めることができるようになる。

下図は実際にプロジェクトの進捗・工数・コスト管理状況が各 EPS にボトムアップ集計されている分析画面である。
赤枠部分の「石油化学プラント事業」を見ると、配下のプロジェクト情報が集計され、事業当初計画の予算(BAC)
約172億円に対し、完成時予想コスト(EAC)が約176億円となっている。
また、SPI が0.91(<1)であることからこの事業は予定より若干進みが遅いこともわかる。
このように工程管理ツールから事業状況までもが分析できるのである。

次に「企業で統一して管理をするための特徴」の1つであるアクティビティコードの定義画面を紹介したいと思う。

下図は Oracle Primavera P6 のアクティビティコード定義画面である。赤枠内を見るとグローバル・EPS・プロジェクトと3つ選択できるようになっており、それぞれグローバル(企業単位)の標準アクティビティコード、EPS(事業単位)の標準アクティビティコード、プロジェクト独自のアクティビティコードが登録できる(それぞれに登録できるコード数は無制限)。
これらをうまく活用することにより、企業で統一してプロジェクト管理を行う仕組みの1つが実現できるようになるのである。

ここまで、工程管理ツールの具体的なイメージを紹介してきたが、企業全体で工程管理ツールを活用するためには、企業として管理構造・体系をどうするかなどを決めていく必要があることを忘れてはならない。

自社内で管理構造・体系を検討するのも良いが、ツールの構造に詳しい人間も必要となるため、各社のワークショップサービスを活用するケースも多いようだ。

弊社でも Oracle Primavera P6 といったツールの構造を説明しながら、お客様と管理構造・体系を決めていくワークショップサービス(EPM ソリューションサービス)を提供している。

さて今回、「工程管理ツールは企業で使うと効果的(1)」という題で企業全体で活用することを想定した工程管理ツールの特徴を説明してきた。
属人的なプロジェクト管理から脱却し、企業としてのプロジェクト管理の仕組み作りを検討・実施する企業が増えている今、工程管理ツールも時代の背景に合わせて進化している。みなさんも企業全体での工程管理ツールを活用を検討してみてはいかがであろうか。

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